【1位】大村さん梶田さんノーベル賞
スウェーデンのカロリンスカ研究所は10月5日、2015年のノーベル生理学・
医学賞を大村智・北里大特別栄誉教授ら3人に贈ると発表した。翌6日には、
スウェーデン王立科学アカデミーが、ノーベル物理学賞に、梶田隆章・東京大宇宙
研究所長ら2人を選んだ。物理学賞の日本人の受賞は2年連続。2人の授賞式が
12月10日、ストックホルムで行われた。
大村氏は、静岡県のゴルフ場近くで採取した土の中の微生物から、途上国を中心
に現在2億人以上が使う抗寄生虫薬「イベルメクチン」のもとになる物質を発見。
多くの人を失明などから救った。
梶田氏は、岐阜県飛騨市の巨大観測装置「スーパーカミオカンデ」を使った研究で、
素粒子ニュートリノに質量があることを発見。物理学の常識を覆して、宇宙論などに
大きな影響を与えた。
大村、梶田両氏の受賞により、日本の歴代受賞者は計24人(米国籍2人含む)
となった。
【2位】ラグビーW杯 日本3勝
9月に開幕したラグビーのワールドカップ(W杯)イングランド大会で、日本は歴史的
な3勝を挙げた。
グループリーグ初戦では、過去優勝2回の強豪、南アフリカと対戦、終了間際に
トライが決まり34―32で逆転勝ち。国際統括団体ワールドラグビーの「W杯の
最高の瞬間」賞にも選ばれた。
日本は2戦目のスコットランドには敗れたが、続くサモアと米国には連勝。目標の
8強入りは果たせなかったものの、前回まで7大会で1勝のみだっただけに、今大会
の活躍が光った。
躍進を支えたのは、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が「ジャパンウェー
(日本のやり方)」と呼ぶ独自の戦い方だ。過酷な練習を課し、素早いパスや連続攻撃、
低く鋭いタックルを磨き、体格の不利を補った。大会58得点を挙げた五郎丸歩選手が
キック時に行う、拝むようなポーズでも話題をさらった。
【3位】「イスラム国」日本人殺害
イスラム過激派組織「イスラム国」は1月20日、日本人男性2人を人質にとった
映像をウェブ上で公開した。日本政府に計2億ドルを要求し、72時間以内に支払
わなければ2人を殺害するなどと脅迫、後にヨルダンで収監中の「イスラム国」
側死刑囚の釈放も求めた。
「イスラム国」は1月24日と2月1日、2人を殺害したとする映像を相次いで公開した。
安倍首相は「非道で卑劣きわまりないテロ行為に強い怒りを覚える。日本がテロに
屈することは決してない」などと強調した。
政府は5月21日、事件の検証委員会による報告書を発表した。政府の判断や
対応に「誤りがあったとは言えない」と結論づける一方、情報収集や危険地域への
渡航制限のあり方の再検討などを今後の課題に挙げた。
【4位】マイナンバー始まる
国内に住む全ての人に12桁のマイナンバーを割り当てる共通番号(マイナンバー)
制度関連法が10月5日、施行された。所得や年金、社会保険などの個人情報が
一つの番号で結びつけられる。行政事務を効率化するとともに税・社会保険料を
適正に徴収するのが狙いだ。来年1月から本格運用が始まる。
10月には、番号を知らせる「通知カード」の配達が始まったが、誤配達やカードの
印刷漏れ、受取人不在などで自治体に返送される例が相次いだ。また、厚生労働省
の室長補佐が、システム関連業務を受注したIT関連会社に便宜を図った見返りに
現金を受け取っていた疑いで逮捕された。制度に便乗した不審な電話なども相次いだ。
【5位】関東・東北豪雨8人死亡
台風17号などの影響で9月9~11日の3日間にわたり、関東、東北で発生した
豪雨により、茨城、栃木、宮城の3県で8人が死亡するなど大きな被害が出た。
中でも、茨城県常総市では鬼怒川の堤防が決壊、40平方キロ・メートルにわたって
浸水した。市内で浸水したのは、市が想定した浸水域とほぼ重なっていたが、水害を
想定した訓練は行っていなかった。茨城県と常総市の連絡不足も指摘され、
安否不明者の無事を茨城県が市に伝えなかったことや、安否不明者の氏名を市が
非公表とし、行政機関によって不明者数がまちまちだったことも判明した。
国土交通省などは12月、茨城県内の鬼怒川の堤防整備と、広域避難の仕組み
作りなど緊急事業を実施することを発表した。
【6位】安全保障関連法が成立
集団的自衛権の限定的な行使を認める安全保障関連法が9月19日、
参院本会議で自民、公明両党などの賛成で可決、成立し、30日に公布された。
離れた場所にいる人の生命・身体を守る「駆け付け警護」や、巡回や検問の際、
任務を妨害する相手を排除する「安全確保活動」のための武器使用が、国連平和
維持活動(PKO)で可能となった。11月19日の日米首脳会談で、オバマ米大統領
は安保関連法成立を「歴史的業績だ」と高く評価した。一方、国会議事堂周辺では
労働組合や学生などが参加する反対デモが連日行われた。
【7位】北陸新幹線開業
北陸新幹線の長野―金沢間228キロが3月14日、開業した。東京―金沢間は、
以前より約1時間20分短縮され、最速2時間28分となった。最高時速260キロの
新型車両を使用し、最上級車両「グランクラス」も導入された。開業により、北陸各地
に観光客が押し寄せ、半年間の利用者は約482万人で、開業前の在来線特急と
比べ3倍になった。
【8位】建物の杭データ偽装
横浜市都筑区の大型マンションが傾いているのが見つかり、杭(くい)工事を下請けした
「旭化成建材」で、杭の打ち込み不足や工事データ流用があったことが10月14日、
明らかになった。旭化成建材は補強、改修費を全額負担すると発表した。11月27日
には杭の製造・施工業者でつくる業界団体が旭化成建材以外の計6社でも工事データ
流用があったことを明らかにした。
【9位】TPP大筋合意
日米など12か国は10月5日、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉で大筋合意
したとの声明を発表した。発効すれば世界の国内総生産(GDP)の約4割を占める
巨大な経済圏が誕生する。関税撤廃率は日本が過去に結んだ自由貿易協定(FTA)
で最も高い。政府は11月25日、合意を受けた総合的な対応策を発表。輸出拡大や
中小企業の海外進出推進、生産農家の経営支援策を盛り込んだ。
【10位】東京五輪エンブレム撤回
2020年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会は9月1日、大会エンブレムの
使用を取りやめると発表した。ベルギーの劇場のロゴマークに似ているとの指摘が
あったためで、東京五輪を巡っては、メイン会場となる新国立競技場建設計画の
白紙撤回(7月)に続く失態となった。エンブレムは再公募され、1万4599点の
案が集まった。大会組織委は来春、新エンブレムを決める。
まあざっとこんな感じの混沌とした暗いニュースが多いい国内の話題を取り上げました。
来年は、明るい希望に溢れた世の中にしたいですね。
今年1年ご愛顧ありがとうございました。良いお年をお迎え下さい。